前回と今回の結果を比較して読み取るには、「経年比較報告書(属性別)」を参照します。
「経年比較報告書(属性別)」の読み取り方
報告書の具体的な読み取り方は、こちらの動画をご覧ください。
■報告書見本
調査の活用方法
まず、サーベイの目的を確認します。
調査結果には、組織やマネジメントの状態が表れています。あくまで一時期の組織状態を切り取ったものであることを前提にしながら、まずは「どんな状態なのか」を捉えます。
その上で、日頃の問題意識や実感値と照らしながら得点結果を見て「何が問題なのか」を捉えましょう。見えてきたことに対して「手を打てそうなこと」を考え、可能な範囲で実行することで改善につながります。
日々のマネジメントの状況把握と課題解決に役立てるツールとして活用するイメージで進めていくと効果的です。
結果の分析にあたって意識すべき3つのポイント
•調査のデータは、回答者が自分の行動や、自分の職場について、日頃どのように感じ、どのように思っているかをまとめたものであり、第三者が客観的にとらえた事実を示すものではなく、回答者自身の中にある“心理的事実”をあらわしています。
•回答者の行動は、その心理的事実にもとづいてなされているため、心理的事実の持つ意味は重要です。客観的事実ではないからといってそれを軽視するのではなく「回答者(群)は、~と思っている」という事実をまず認識することが必要です。
•組織風土は、人が替わり、仕事の進め方が変わっていくにつれ、変化していくものです。しかし、人の異動や仕事の変化に比べて、その変化はゆっくりした過程で進みます。今回の調査のデータが示す職場の状況は、こうした変化しつつある過程のある時点での一断面をあらわしていると考えられます。
•また、組織風土は自然と変わるものでもありますが、意図する方向に変えていくことも可能です。そのために大きな役割を担っているのが管理職といえます。
•報告書の結果が「おもしろい」「あたっている」「メンバーが低く答えているので頭にきた」「得点が高く安心した」など、感情的にとらえてしまうのは、誰にでもあることです。しかし、職場をより良くしていくためには、まずは冷静な態度で結果を受け止めてください。そして、データの裏にある、日頃の職場での具体的な出来事を想像したり、メンバーの期待や願望を探ってみてください。
•データは、さまざまな要因が複合された結果です。日頃、職場の状況については熟知しているはずの皆様にも、すぐには解釈が難しい箇所があるかもしれません。
•解釈しにくい結果については、深く分析する必要がありますが、一つの項目にこだわりすぎると、より大きな問題を見逃してしまいやすいものです。一つひとつの項目を検討すると同時に、要素別の得点を眺めてみたり、一つの項目で行きづまったら、一旦他の項目に目を移して、その項目との関連を考えてみてください。また、職場のメンバーと対話する機会を設けることも有効です。